The Trade DeskのAPIでビジネスを成長させませんか?

オープンプラットフォームを活用することには多くのメリットがあります。業界パートナーとのシームレスなインテグレーションや、カスタマイズされたソリューションの開発などもその一例です。The Trade Deskの専任エンジニアチームは、顧客と協力して、マーケターの反復作業の時間を削減し、ファーストパーティデータの活用、業務効率の向上、The Trade Deskのテクノロジー上に新たなソリューションを構築するために大小さまざまなオーダーメイドソリューションを構築してきました。

本記事では、活動地域も業界も異なる3社が、どのようにThe Trade DeskのAPIとインテグレーションし、自社が抱える独自の課題を解決していったのかを紹介します。Sam's Club、Mediahub、The Lottory Corporation Australiaが、従来のプログラマティック広告の配信モデルに挑戦したかをご覧ください。

Sam's Clubメンバーアクセスプラットフォーム(MAP) – 米国

小売業界では、リテールマーケティングの担当者が、過去の購買行動や購買意向などのファーストパーティデータを活用して、独自の競争優位性を構築する動きが急増しています。Walmart Inc.の傘下で、会員制倉庫型クラブの大手であるSam’s Clubでは、会員がパーソナライズされたショッピング体験を望んでいることがわかりました。また、同時にサプライヤーがSam’s Clubの会員に効率的かつ効果的にリーチしたいと願っていることにも気づきました。

そこで、同社の小売広告ビジネスであるSam's Clubメンバーアクセスプラットフォーム(MAP)では、The Trade Deskとの提携により、リアルタイムのリターゲティングキャンペーンを強化することにしました。MAPはThe Trade Deskと協力し、SamsClub.comあるいは実店舗で販売されているかにかかわらず、すべてのSKUを包括した商品カタログフィードをインテグレーションしました。この新しいインテグレーションにより、The Trade Deskを活用して、オンラインでの閲覧行動と会員の購入データ(実店舗とオンラインでのコンバージョンの両方)とを紐づけられるようになりました。

その結果、MAPではリアルタイムでのインテリジェント・リターゲティングが可能になり、特定の商品に興味を示した会員に対して、その会員がまだ買い物スペースにいる間に広告を表示し、その会員が関連する商品を購入した時点でその広告を抑制できるようになりました。そうして、よりスマートで、効果的で、パーソナライズされた、キャンペーンを実施できるようになりました。

Sam's Club MAPが最近実施した特定のカテゴリを対象にテストによると、The Trade Deskを活用したオフサイトのリターゲティングは、インクリメンタルROASが過去の伸びの1.5倍に近づいていることが示唆されていました。

このインテグレーション戦略についての詳細は、Sam’s Clubのブログ(英語)をご覧ください。


「The Trade Deskを活用したこの統合ソリューションにより、SamsClub.comの戦術によるパフォーマンスと常に一致するオフサイトのメディアでの結果を創出できていることが、最初の数か月のテストで示されました」

Austin Leonard
Sam's Club MAP セールスヘッド


Mediahub – 英国

アイトラッキング(視線計測)データは、広告主にとって重要なデータポイントになりつつあります。各企業が競って消費者のアテンションを獲得しようとしている現代、ビューアビリティの基準として、ピクセルの50%がブラウザに1秒間連続して表示されるだけで広告が消費者に視認されていると判断するには十分ではないと認識しています。

IPG Mediabrands広告ネットワークグループにおいてメディアバイイングおよびプランニングのグローバル広告代理店であるMediahubは、一般化された視線計測データに基づいてインプレッションを価格決定できるソリューションを開発すれば、ユニークな機会になるのではと考えました。そこで、視線計測とアテンションに関するデータを専門とする企業Lumenから取得したアテンションについてのデータを、Mediahubのアテンション最適化アルゴリズムであるARC(またはARC-optimizer)を使って蓄積しました。さらにMediahubとMatterkind(IPGのアクティベーション・インテリジェンス部門)は、The Trade Deskと協力して、視線計測データを取り込み、インプレッションの価格をリアルタイムに変動させるカスタムアルゴリズムを開発し適用することにしました。これにより広告主は、視聴者の視線を獲得する可能性の高い広告スペースに適切な価格で費用を投じられるようになりました。

ARC-optimizerでは、アテンションの観点からより質の高いインプレッションに焦点を当てることで、ビューアビリティのみの場合と比較して、ブランドリフト当たりのコストを75%削減できました。また、広告が見られる可能性が低い場合には広告を配信しなかったため、全体的に配信される広告の数が減り、環境にも貢献できました。結果的に、二酸化炭素排出量を平均で10~15%削減できました。これは、道路を走る自動車680万台分の年間排出量に相当します。


「私たちは、視線に基づく入札用機械学習アルゴリズムをカスタムメイドで構築することで、従来のプログラマティックモデルに挑戦しました。The Trade Deskのチームはプラットフォームの専門性が高く、敏捷性とスピードがあり、連携力に長けているため、この課題をより速く、より良い形で遂行できました。このソリューションを市場に投入することで、私たちはクライアントにより多くの価値をもたらすことができ、さらに不要な広告を減らせるため、二酸化炭素の排出量削減にも貢献できています」

Erfan Djazmi
Mediahub、EMEA地域最高デジタル責任者


The Lottery Corporation – オーストラリア

オーストラリアの公的宝くじの本拠地であるThe Lottery Corporationでは、宝くじの抽選総額に基づいて各州に動画クリエイティブの割り当てを自動化する難しい課題に挑戦していました。これは100%の正確さが要求される課題でした。

同社は、それまで手動で実施していた作業を、適切な動画クリエイティブを適切な州に割り当てられる信頼度の高い自動化ソリューションに置き換えようとしていました。そこでThe Trade Deskと協力し、1週間を通して宝くじの抽選結果が頻繁に変わる中、効率性と正確性を向上させるオーダーメイドのAPIソリューションを構築することにしました。

このソリューションの主な内容は次のとおりです。

  • 各宝くじおよび懸賞金額に合わせたカスタムロジックを組み込み、70以上の固有のクリエイティブIDを作成します。
  • クリエイティブコンテンツを1時間ごとに更新すモニタリング・メカニズムを開発し、各抽選に合わせて正しい動画クリエイティブが必ず表示されるようにします。
  • 自動化されたEメール通知機能を実装し、変更があれば同社にタイムリーに通知されるようにします。この通知機能により、キャンペーン開始前のクリエイティブのレビューが容易になり、正しい動画クリエイティブの選択で問題が発生した場合にもアラートを受けられるようになりました。

「The Trade Deskのプラットフォームとテクノロジーを活用したことで、抽選額に基づいて非常に効率的に動画リエイティブを割り当てられ、広告キャンペーンを確かな精度で動的に配信できるようになりました。この自動化ソリューションにより、簡単にキャンペーン運営にかかる毎週の時間を節約できるようになり、今後のキャンペーンに向けてどのようなカスタマイズができるかもわかるようになりました」

The Lottery Corporation 広告オペレーションマネージャー、Daniel Diaz氏